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B型肝炎ウイルスの持続感染を支えるウイルス因子HBx複合体の立体構造を解明
―ウイルス遺伝子活性化の分子基盤を可視化―
国立健康危機管理研究機構 国立国際医療研究所
北海道大学
金沢大学
発表者
町田 晋一(国立国際医療研究所 ウイルス構造機能研究部 テニュアトラック部長)
発表のポイント
- B型肝炎ウイルスの持続感染を支える完全閉環二本鎖DNA(cccDNA)からの転写を制御するウイルスタンパク質HBxとヒト因子DDB1の複合体構造を、クライオ電子顕微鏡により初めて解明しました。
- 高速原子間力顕微鏡(HS-AFM)により、HBxが柔軟かつ球状の構造動態を示すことを可視化し、その動的性質が多様な宿主因子との結合を可能にし、ウイルスの持続感染に寄与していることが示唆されました。
- HBxが宿主タンパク質と協調的に相互作用する様子を可視化したことで、B型肝炎ウイルスが宿主の抑制的エピゲノム機構をいかに回避し、ウイルス遺伝子の発現を促進しているのかという根本的な問いへの理解が大きく進展しました。今後、本研究はB型慢性肝炎に対する新たな治療戦略の基盤となることが期待されます。

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